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最終修正日 2025/1/1
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核内レセプタースーパーファミリー
核内受容体 核内受容体を標的とした構造ベース薬物設計のためのページです。 特に、ビタミンA活性本体であるレチノイン酸の受容体構造に基づくコンピュータ支援によるアナログ(レチノイド)合成と生物活性(薬理活性)を中心とした研究を行っている。
ビタミンA酸(レチノイン酸) ビタミンAの活性本体であるレチノイン酸はがん細胞の増殖を抑え、正常な細胞へと分化誘導させる、がん特効薬になると考えられている。そのメカニズムは核内に存在する核内受容体スーパーファミリーと呼ばれる一群の転写因子を介した遺伝子の転写制御である。ビタミンA(レチナール)は夜盲症で有名なように、視覚に関わるロドプシンとの関係が良く知られているが、ビタミンAの活性本体であるレチノイン酸は1980年代中ごろから生命の形を司る仮想の物質、モルフォゲンと考えられてきた。天然のビタミンA(レチノール)に対して、人工的に有機合成で合成された化合物群をレチノイドと呼び、がんをはじめ、様々な疾患の治療薬として開発が行われている。最近では、GPCR(Gタンパク質共役受容体)のように膜たんぱく質を介してシグナル伝達で遺伝子の転写を制御するメカニズムが知られるようになってきており、これをノンゲノミック作用と呼び、核内に存在する核内受容体に直接結合して作用を発揮するメカニズム(ゲノミック作用)と異なるメカニズムも知られてきている。現在、レチノイドの開発は受容体の立体構造を利用して、合理的に構造ベースで薬物設計されている。急性前骨髄性白血病治療薬としてトレチノイン、タミバロテン、抗悪性腫瘍薬としてベキサロテンが国内で承認されている。
核内受容体:最新構造学 Motonori Tsuji*, Koichi Shudo, Hiroyuki Kagechika. FEBS Open Bio., 7, 391-396, 2017, DOI: 10.1002/2211-5463.12188. Motonori Tsuji. J. Mol. Graph. Model., 62, 262-275, 2015.
核内受容体リガンド結合領域フォールディングメカニズム、アゴニズム・アンタゴニズム理論 Motonori Tsuji. J. Struct. Biol., 185, 355-365, 2014.
核内受容体:最新分子機構 核内受容体アゴニズム・アンタゴニズムメカニズムの量子論による解明 Motonori Tsuji. J. Comput. Aided Mol. Des., 31, 577-585, 2017, DOI: 10.1007/s10822-017-0025-6.
核内受容体分子機構の定説を覆す仮説を提唱 Motonori Tsuji*. Koichi Shudo, Hiroyuki Kagechika. J. Comput. Aided Mol. Des., 29, 975-988, 2015.
核内受容体:論理的リガンド設計 Motonori Tsuji. 有機合成化学者のための論理的ドラッグデザイン
核内受容体:ホモロジーモデリング 人アンドロゲンレセプターDNA結合領域のホモロジーモデリング
人ミネラルコルチコイドレセプターリガンド結合領域のホモロジーモデリング
核内受容体:結晶構造解析 PDBデータバンクに登録された核内ホルモンレセプター結晶構造を構造情報をもとに分類したデータベースです。アクセスはご自由です。
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