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最終修正日 2025/1/1
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タンパク結晶構造における水分子の水素原子初期座標予測
図1.タンパク結晶構造における水分子の水素原子初期座標予測アルゴリズム
図2.タンパク構造における潜在的な水素原子ドナーおよびアクセプター領域の定義(イメージ図)
第一水素原子座標 図1に示されるように、水分子の最初の水素原子は図2に定義される水素受容体領域の条件を満たし、かつ酸素原子から最小の距離にある水素受容体へテロ原子に向かって酸素原子から1.0Åの距離におかれます。 第二水素原子座標 二番目に近い水素受容体領域が最短距離の水素受容体領域から90°以上の角度にあるとき、第二の水素原子は二番目のこのヘテロ原子に向かって酸素原子から1.0Åの距離に置かれます。それ以外の場合には、第二の水素原子座標は図2で定義される水素供与体領域の条件を用いてこの水分子の酸素原子上の孤立電子対情報をもとに予測されます。
構造最適化計算や分子動力学計算では、最適化構造は初期構造に強く依存します。分子動力学計算で初期構造に依存させないためには長時間のサンプリングと高温条件が必要です。しかしながら、生体高分子(タンパク、核酸)システムではそうしたシミュレーションはほぼ不可能です。そのため、このような制約の中で、より信頼性のある最終構造を得るためには、はじめによりよい初期構造を準備する必要があります。本アルゴリズムは生体高分子(タンパク、核酸)内部にある大量の水分子に対して信頼性のある初期構造を得る目的で使用します。 本アルゴリズムはHomology Modeling Professional for HyperChemパッケージ内のEstimation of Hydrogen Atoms in Waterモジュールプログラムに搭載されています。
2005年5月
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